てんかん
てんかんとは
てんかんは脳の病気で、大脳の神経細胞が過剰に興奮して、脳の発作が繰り返し起こる病気です。
発作は突然おこり、けいれん等の症状として現れます。発作はたいてい数分で収まりますが、中に数十分ほど続く場合があります。
てんかんの原因
てんかんの原因は、さまざまあります。原因が分からないてんかんもありますが、大きく2つに分けられます。
◎症候性てんかん:脳に何らかの障害や傷があることによっておこるてんかん
◎特発性てんかん:さまざまな検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかん
てんかんの分類
◎部分発作:脳のある部分から始まる発作です。脳のどの部分からおこるのかによって、発作のはじめの症状が
決まります。
・単純部分発作:意識が保たれる発作です。
・複雑部分発作:意識がなくなる発作で、大人のてんかんで最も頻度が高い発作です。
・二次性全般化発作:部分発作から始まり、脳全体に広がり、全般発作に進展します。
◎全般発作:発作のはじめから、左右の脳全体が「電気の嵐」に巻き込まれるもので、意識が最初からなくなるという
特徴があります。
・欠神発作:数十秒間にわたり意識がなくなる発作
・ミオクロニー発作:全身あるいは手足など、どこか一部分の筋肉が一瞬ピクッと収縮する発作
・間代発作:膝などを折り曲げる格好をとり、手足をガクガクと一定のリズムで曲げたり伸ばしたりするけいれんが
起こります。
・強直発作:突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、手足を伸ばした格好で全身を硬くし、
数秒~数十秒間持続します。
・強直・間代発作:突然発症して、強直発作と間代発作を起こします。発作後は、30分~1時間位の眠りへ
移行することもあり、その後は普段の状態に戻ります。
・脱力発作:全身の筋肉の緊張が低下・消失するため、崩れるように倒れてしまう発作
◎分類不能:全般発作と部分発作をあわせ持つ場合、またはどちらの特徴にもあてはまらない場合の発作
てんかんの診断
てんかんの診断においては、問診がとても重要です。
できるだけ多くの情報を収集することで、この後の分類や各種検査を進めていく上で役立ちます。
ご本人が記憶のないエピソードもある場合がございますので、周囲の方からの情報や
発作時のスマホでの録画データもございましたら、ご協力願います。
てんかんの治療
てんかんの治療は、抗てんかん薬を毎日規則的に服用し、発作を抑制していく薬物療法が中心となります。
十分な薬物治療を行って、期待した効果が得られないときに外科治療などを検討します。
◎薬物療法
抗てんかん薬は、脳の神経細胞の電気的な興奮をおさえたり、興奮が他の神経細胞に伝っていかないように
することで発作の症状をおさえる薬です。
医師は発作のタイプを考慮し、また年齢や性別、体重、合併症や服用中の薬との飲み合わせ、過去の副作用
の経験なども考えてその人に合った抗てんかん薬や使用量を選んでいきます。
薬物療法は長期間にわたる治療のため、①毎日規則正しく服用する、②生活リズムを整える、③自己判断で
服薬を中断しないといった点に気をつけてください。
◎外科治療
薬物療法で発作が抑制されない難治性てんかんに対して、外科手術による治療を検討します。
ただし、すべてのてんかんに外科治療が可能であるわけではなく、発作の始まる部分がはっきりしている、
部分てんかんで、その部分を切除しても障害が残らない場合、外科治療が可能です。
また、治療経過や年齢、発作の頻度、発作のタイプなどの要因も総合的に判断して治療を検討します。
外科手術には発作消失を目指す根治手術と、発作が少しでも軽減することを目的とする緩和手術があります。
緩和手術のひとつに迷走神経刺激療法があります。
◎迷走神経刺激療法
この治療法は電気刺激を出す小さな器機を体に埋め込んで、迷走神経を毎日、一定の間隔で刺激することにより、
てんかん発作の回数を減らしたり、発作の程度を軽くする療法です。
出典)日本てんかん学会ガイドライン、日本てんかん協会
