糖尿病
知っておきたい糖尿病のこと 糖尿病の原因と診断基準
代表的な生活習慣病である糖尿病。いま20歳以上の日本人の5人に1人は、糖尿病か、糖尿病が強く疑われる、もしくは可能性が否定できない予備軍です。
初期の糖尿病では自覚症状がないことが多いため、糖尿病患者さんの多くは健診で初めて血糖値が高いことを指摘されています。
糖尿病の原因は?
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が正常よりも多くなる病気です。その発病には、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖を低下させる働きを持つインスリンが関係しています。
小児や若年者で発病する1型糖尿病では、膵臓でインスリンが作られなくなったことが原因です。また、成人になって発病し、肥満者に多い2型糖尿病では、膵臓でインスリンが十分に作られない、インスリンが適切に分泌されない、あるいは十分な量のインスリンが分泌されてもインスリンがうまく働かなくなったことが原因になります。
糖尿病の発病に関係することは?
インスリンの分泌や働きの低下には、遺伝に加えて運動不足や過剰なエネルギー摂取など、毎日の生活の積み重ねが影響します。肥満、高血圧、喫煙、ストレスなども関係し、特に肥満には注意が必要です。
糖尿病の診断基準は?
糖尿病は、空腹時血糖値:126mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値:200mg/dL以上、随時血糖値:200 mg/dL以上のいずれかのなど血糖値とHbA1c:6.5%以上を確認して診断されます。健診で血糖値が高いといわれた人は、より詳しい検査を受けましょう。HbA1cが6.5%未満かつ空腹時血糖値110~125mg/dLまたは75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間後の血糖値140-199mg/dlは「糖尿病予備軍」であり、糖尿病が強く疑われる人です。食事や運動に気をつける必要があります。
空腹時血糖値
10時間以上食事をしない状態で測定した血糖値。一般には、検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で測定します。
75g経口ブドウ糖負荷試験
10時間以上絶食した後の早朝空腹時に75gのブドウ糖を飲んで、2時間後の血中に含まれる血糖値。
随時血糖値
食事の有無や食事からの時間を決めないで測定した血糖値。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合してできた物質で、検査では体内における全てのヘモグロビンのうち、ブドウ糖が結合したヘモグロビンの割合(%)を測定。